不思議な体験
病院で働いていると不思議な体験をするものです。
ふとした瞬間に見えることは多々あります。
それはいつも夜なのですが
今回のお話しは一般的には見えるはずのない
時間帯に起きた出来事です。
朝のエレベーター
深夜勤は夜中の24時からです。
今日も何事もなければいいなぁ
と思いながら仕事は始まりました。
思った通り、平和な夜勤で
普通に朝を迎えることができました。
「今日も無事に終わりました」
と申し送りをした後に
夜勤者3人で帰宅のためにエレベーターの前で
待っているとエレベーターが下の階から
スーと上がってきました。
「今日も平和に終わったね」
と話をしながらエレベーターに乗り込もうとすると…
後ろから
タッタッタッ
と走ってくる人影が目に入ってきたので
私ともう1人の職員はその人が乗ってから乗るつもりで
一瞬足を止めました。
すると「なんで乗らないの?」
と1人の職員は疑問そうに声をかけてきました。
私は「いやっだって…」
と言いながらエレベーターを指さすと
そこには誰も乗った形跡がなく
ポッかり開いているエレベーターがあるだけでした。
「今誰か乗ったよね」
と一緒に足を止めた職員に話しかけると青ざめながら
「確かに誰か乗りました」と話したので
このエレベーターに乗るのはやめて
別のに乗ろうと決めて無事に帰宅しました。
後日この不思議な体験を同僚に話すと
「右のエレベーターでしょ」
と知っているような口調で話しました。
「右のエレベーターは前から誰かが走って乗るんだよ。
だから私は絶対に乗らない」
もしあのままそのエレベーターに乗っていたら
私たちは無事に帰ることができたのでしょうか?
そんな不思議な体験をしたお話しです。